任意売却の途中に夜逃げ/その後どうなるの?

今回は、任意売却で売り主が夜逃げした場合について解説しています。任意売却で物件を買おうと思っていると夜逃げは、突然おきることがあります。

夜逃げなんて漫画の世界と思ってしまいそうですが、実際にあります。すごく多くあるというわけではありませんが、住宅ローン以外の取り立てが厳しいのか夜逃げする人は一定数います。

 

実際に夜逃げしたらどうなるのか。買い主として、夜逃げされた場合にどうすればいいのかというのを見ていきます。

任意売却で夜逃げしたら?

任意売却で任売業者が専任媒介契約を結んでいたところ、突如連絡がとれなくなることがあります。家に行ってみるともぬけの殻です。

任意売却業者や破産を依頼していた弁護士に、なんの連絡もとらず突如いなくなる。それが夜逃げになります。住民票なども移さずにいなくなるので、弁護士が調査してもどこにいるかわかりません。

 

任意売却の売り主が夜逃げした場合、その後の不動産はどうなるのか。これは、競売に流れていくしかありません。

破産の申し立てをして管財人がついていれば、夜逃げしたとしても任意売却はすすめられます。しかし、破産の手続きが進んでいないケースでは、債務者の同意が必要になります。

 

つまり、夜逃げした人の同意なくして任意売却が進められないのです。なので、任意売却する予定であった不動産はやがて競売に流れていくことになります。

通常、任意売却は競売にならないために行うものです。少しでも不動産が高く売れ、売り主に少しでもお金が残るように引越し代がでるためのものです。

 

しかし、売り主がその前に夜逃げすることで任意売却はできなくなってしまいます。そのため、不動産は競売に流れていくことになります。

多重債務者の任意売却

任意売却の売り主になる人は、たくさんの金融機関から借入れをしているケースがよくあります。その際に、破産の手続きと任意売却の手続きのどちらを先にするのか問題があります。

破産と任意売却をやる順番を間違えると、それが夜逃げという形になって現れますことがあります。

 

一般的に、任意売却と破産は先に任意売却をするべきです。それは、破産者が不動産を抱えた状態での破産の申し立てをすると破産管財人がついて、債務者が支払うべきお金が増えるからです。

そのため、先に任意売却をして不動産を売却した後に破産の申し立てをするのが一般的です。先に任意売却をすれば不動産が処分されているので、破産管財人はつきません。

 

不動産さえ売却しておけば、破産の申し立てと同時廃止が決定されます。そして、免責許可決定を受ければ、債務者の費用が抑えられることが多いからです。

しかし、取り立てなどの精神的ストレスを考えると、先に破産の手続きをした方がよいこともあります。取り立ての電話が鳴りやまず、債務者が精神的ストレスから早く逃げたい。

 

一日でも早く、そういったストレスから解放されたいと感じている債務者であれば、先に破産の申し立てをするというのも選択肢になります。

破産の申し立てをすれば、取り立てはなくなります。そうなれば、売り主の夜逃げという選択肢はなくなります。

 

逆に言うと、この辺りの選択を間違えてしまうと売り主が夜逃げしてしまうことになります。ここの緊急性を見分けるのは、弁護士の経験と目利きになるでしょう。

買い主として

任意売却の売り主が夜逃げすると、買い主としては何もすることができません。それまで、話がまとまっていて、あと契約と決済だけ。

そんな状況であったとしても、売り主が突如、夜逃げすると買い主として何かをすることはできません。なので、任意売却の取引はそんなことをもあることを知っておく必要はあるでしょう。

 

もしどうしてもその物件が欲しいのであれば、競売に参加することは可能です。競売で落札すれば問題なく物件を手に入れれます。

しかし、競売だとなかなか入札方式なので落札できないことも多いです。任意売却のように、物件を独占的に買うことはできなくなります。

 

買おうと思っている物件が良い物件で、どうしても購入したいと思っていたのであれば競売に参加しましょう。もし落札できなかった場合は、きっぱり諦めて新しい物件を探しましょう。

まとめ

今回は、任意売却と夜逃げの関係について解説いたしました。売り主が夜逃げするかどうかの緊急性を弁護士がどのように感じるか。

ここが夜逃げになるかどうかのポイントだと思います。私たち投資家としては、どうすることもできない問題になります。

 

どうにもできない問題を悩んでも仕方ありませんので、どうしても欲しい物件であれば後に行われる競売に参加する。

落札できなければ諦めるという割り切りった気持ちを投資家としては持っておく必要があります。夜逃げは、任意売却のデメリットの1つと捉えておきましょう。

 

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