代位弁済の流れ/その後どうなるの?

今回は、代位弁済の流れを説明していきたいと思います。代位弁済は、任意売却をする上で最も重要なポイントの1つになります。

なぜ、代位弁済がとても重要になるのか。代位弁済の前と後では、どのように違うのかなどを具体的に解説していきたいと思います。

代位弁済とは?

そもそも代位弁済とはどんなものなのかわからないという人も多いと思います。一言で説明すると、代位弁済は、「借金を借主に代わるって第三者が支払ってくれること」です。

通常の取引であれば、下記のの図のように金融機関(債権者)からお客さん(債務者)がお金を借りれば、お客さんは金融機関にお金を返します。当たり前のことですよね。

住宅ローンや銀行のカードローン、信用保証協会の保証付き融資などは、債務者のローンの支払いが一定期間ストップした場合は、残債を代りに保証会社が立て替えて支払います。

これによって、金融機関は債務者からの返済がストップしたとしても貸したお金の回収を図ることができるのです。図で表すとこんな形です。

この代位弁済は、消費者金融や日本政策金融公庫にはないものです。主に、利用しているのは銀行や信用金庫などが利用しています。

そして、大事なポイントは保証会社が債務者に代わってローンを支払ってくれるわけですから、今後の債権者は保証会社に移行するということです。

 

ローンの返済のやり取りは、銀行や信用金庫などから保証会社とやりとりすることになります。

代位弁済されるまでの期間は?

代位弁済までの期間は、金融機関によってさまざまです。住宅ローンであれば、3ヶ月~10ヶ月ぐらいまで金融機関によって異なります。また時期などによっても多少の変化があります。

今は、新型コロナウイルスの影響でしばらく待ってくれるところも多いです。しかし、そうはいってもいつまでも待ってくれるわけではありません。

 

なので、ローンの支払いが苦しい段階で選択肢を考えなければいけません。例えば、借り換えをして利子が安いところに住宅ローンを変更する。

あるいは、銀行と交渉してリスケジュールにするなど、代位弁済の前であればいくつかの方法はあります。なので、専門家に相談するなら早い方が良いです。

 

そして、いくつかの選択肢から家を売る(任意売却する)なら、ローンの支払いをストップしないといけません。

ローンの支払いを全額ではなく少しずつでも返済していると、任意売却を債権者が認めてくれません。金融機関はまだ支払いができると思うからです。

 

まだ、少しずつでもお金を支払っている状況で、債権者に支払いが苦しから任意売却をしてほしいとお願いしても認めてくれません。

実際に、支払いを3ヶ月以上の期間ストップして代位弁済の通知が来て初めて任意売却することが可能になるわけです。

代位弁済の流れ

ここまで、代位弁済がどういったもので、どれくらいの期間支払いが止まると代位弁済になるかということをお伝えしてきました。

また、住宅ローンの支払いが厳しい時に任意売却するためには、支払いのストップがなければ任意売却ができないということもお伝えしてきました。

 

ここからは、代位弁済に移行するまでの具体的な流れを見ていきます。代位弁済までの流れは大きくわけて5つのステップがあります。

代位弁済までの5ステップ

①金融機関からの督促
②金融機関が保証会社に代位弁済請求
③保証会社が金融機関に代位弁済
④債権が保証会社に移転する
⑤債務者は保証会社に返済する

①金融機関からの督促

まず、債務者の支払いが滞った段階で、金融機関から債務者に督促状や電話がかかってくることになります。支払いがなされるまで、督促が行われます。

支払える目途が立っているのであれば、「●月●日に支払う」ことを伝えれば、督促は終了するでしょう。しかし、実際に返済できなければ督促は続きます。

 

そして、代位弁済が近くなってくると督促状から催告状に書類がかわります。そして、期限の利益喪失通知書などが内容証明郵便などで送られてきます。

期限の利益の喪失というのは、分割で支払っていた住宅ローンが支払れないため一括請求するというものです。

 

期限の利益を喪失すると選択肢がなくなってしまうので、それよりも前に専門家(任売業者)に相談することをおススメします。

期限の利益の喪失の段階でも何もしない場合は、代位弁済され家やマンションは競売に進んでいくことになります。

②金融機関が保証会社に代位弁済請求

一定期間ローンが支払われてないため、金融機関は保証会社に代位弁済を請求します。

「●日間返済がないため、残金〇〇を弁済してください」

 

保証会社は、保証契約に違反がないか。金融機関が契約通りに動いているのかチェックを行います。この際に、金融機関は債務者の貯金をチェックします。

1円単位ですべてのお金が返済にあてられますので、債務者はこの前までにお金を現金でもつか別の金融機関に異動しておかないと生活できなくなります。

③保証会社から金融機関に代位弁済

保証会社は、保証契約をチェックして違反しないもであることを確認すると、残金●●円を金融機関に弁済します。

この代位弁済の時点で、信用情報事故として扱われます。わかりやすい言葉でいうと、金融機関のブラックリストに載ってしまうということです。

 

そのため、カードを今後つくることができなくなったりローンを組むことができなくなります。

④債権が保証会社に移転する

保証会社から金融機関に代位返済が行われましたので、債権(借金を取り立てる権利)が保証会社にうつります。

そのため債務者は、今後は保証会社に借金の返済をしていくことになります。代位弁済が行われても、借金がチャラになるわけではないのでご注意ください。

⑤債務者は保証会社に返済する

任意売却もしくは、競売により保証会社に借金を返済していきます。任意売却後も原則は、借金の完済まで返済をしなければいけません。

返済能力にもよりますが、原則は任意売却後や競売後も借金を少しずつ保証会社に返済していくことになります。

代位弁済後はなる?

代位弁済後については、基本的に競売に流れていくことになります。家やマンションなどを差押えられ、競売の申立てが行われます。

そのまま、なにもしなければ粛々と競売の手続きに進んでいきます。競売になると広く一般に知られてしまうことになるので、早めに対処しておくことがおススメです。

 

代位弁済後になればば、具体的には任意売却にするしか方法はないです。売れる価格というのは、近年は任意売却も競売もそんなに変化はないです。

ただ、競売になっていることを周囲に知られるというのは予想以上に辛いことです。お子さんがいれば余計そのように感じるでしょう。

 

ローンの支払いが苦しい。そんな状況であるならば、早めに手を打つべきです。遅くなれば、遅くなるほどやれることが少なくなります。

代位弁済よりも前に相談に行けば、家を売らなくてよい方法も考えられます。しかし、代位弁済の手続きが終わってしまうと、売るしか選択肢がなくなります。

 

そのため、住宅ローンの支払いに問題を抱えているのであれば早めに相談に行くことをおススメいたします。

任売物件を購入するには?

ここまで、代位弁済がどのような流れで行われていくのか。その後どうなるのかというお話をしてきました。

私たち投資家が知っておくべきことは、どのような流れで代位弁済が行われるのかというところです。競売の申立て前であれば、任意売却の期間を設けて待ってくれる債権者も多いです。

 

そうなれば、債務者もゆったりと引越しすることが可能になります。だからこそ、任売物件を購入する我々も、早い情報を仕入れるべきなのです。

任意売却は3方よしの取引です。債権者は、競売より早く売却できる。債務者は、競売で公表されずにすみます。買い主は安く買えます。

 

そんな喜ばれる不動産の取引が任意売却であります。債務者が少しでも不安なく、新しい生活に迎えることができるように心がけましょう。

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