最近、任意売却の入札の事例が増えています。特に、首都圏の破産管財人がつく案件は弁護士の先生がそのまま入札にするというケースが増えています。
そこで、今回は任意売却の入札について、競売の入札との違いについてもくわしく解説していきたいと思います。
任意売却の入札とは?
任意売却の入札とは、法的に定めのない任意の入札になります。競売とは異なり、法令で定められたものではないため、債権者が認めないとその最高落札者が購入できるとは限りません。
任意売却は、これまで不動産業者(任売業者)の裁量でほとんど進めることができていました。破産案件であったとしても、破産管財人は不動産の査定ができません。
そのため、必ずどこかの不動産業者が査定をして、それをもとに裁判所の許可や債権者の許可を得ていたからです。
しかし、2021年後半あたりからこれまでの不動産業者が主導権を握っていた任意売却から、任意売却の入札を実施するようなケースが増えています。
これは、弁護士(破産管財人)が不動産業者がつながっているところがあり、債権者がより公平性を求めていることによるためではないかと思われます。
なので、最近は任意売却も入札が増えているというところがあります。
任売の入札メリット・デメリット
私たちのような投資家からすると、任意売却の入札のデメリットの方が多いです。特に、価格が高騰してしまうことです。これがなによりも大きなデメリット。
たくさんの人が入札をしてくると、当然価格は高騰します。資本の原理なので、当然の話ですね。競売が高騰しているのと同じ理由です。
これまで、任意売却は債権者が納得する価格であれば競争がなかったのが、入札になると落札できないってことがでてきます。
そして、もう一つの問題点としては入札が行われたとしても、その価格で債権者が納得しないケースは、競売に移行させることがあるということです。
債権者にとっては、このあたりはメリットになります。競売のように費用をかけずに、公平性のある入札が実施され、そのうえで価格がいまいちであれば競売が可能になる。
これは、債権者にとっては大きなメリットです。債権者にとってはメリットしかありません。また、破産管財人も価格が上がるという意味では、報酬が増えるのでメリットになるかなと思います。
ただし、債務者にとってはメリットはありません。債務者は破産をするので、住宅ローンの返済がどれだけできたかは関係ありません。
むしろ、自分の引越し代を捻出してくれた今までのやり方が債務者にとっては、メリットが大きかったと言えるでしょう。
入札に参加する購入者にとっても、買えるかどうかわからない。入札で最高額でも買えないかもしれない。そう考えると、あまりよい制度ではないかなと思います。
ただし、競売と異なり内見ができるという点はメリットになります。なので、入札に参加するというのも一つの方法ではあります。
内見が可能であるという点は、競売と異なる唯一のメリットであると言えるでしょう。
今後、任売物件を買うためには?
今後、任売物件を継続的に買うためには早い情報が必要になります。債務者からの相談。あるいは、離婚した人に対するアプローチなどの工夫が必要です。
任意売却のうち離婚からみが50%以上と言われるので、そこを抑えておくとかなり強いです。財産分与の前に不動産の相談を受けている任売業者が強いです。
流れとしては、任意売却⇒破産のものを狙うことです。破産⇒任意売却の物件を狙うと、前述したように任意売却の入札に参加しなければいけなくなります。
それを回避するためには、より早い情報を得ている業者に紹介してもらう。もしくは、自分で一番早い情報を得るしか方法がありません。
一番いいのは、離婚や住宅ローンの支払いに困っている人を集める事です。それができれば、任意売却の入札に参加することなく、自分で買いたい物件を得ることができます。
任意売却の入札に参加しても、結局自分の買いたい価格で買えないことが多いので、独自の情報源を作ることが任意売却物件の購入には重要になってきます。
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